事例
美原の農家
移築された建物を含め、100数年経った木造住宅を改修したプロジェクト。大阪市都心部の難波から南東へ10数kmの堺市美原地区に建つ、延べ床面積が800平米を超え敷地面積は2100平米を超える大きなプロジェクトだ。周囲をクライアントが耕す田んぼに囲まれ、まさに地域に唯一の景観を誇る大きさ広さである。敷地内には、蔵が4棟、母屋、離れ、長屋門、と大きく分けて7つの棟が建つ。これらの建築群は一度に建てられた訳ではなく、そのつどそのつど新築、増築、改築、移築を繰り返されたものだ。
クライアントは「単に屋敷の改修をするだけでなく、田んぼに与える環境をも配慮したい」と希望された。
そこで、テーマは「継承する」に。周囲の景観を維持させる事と、周辺の田圃の環境を損なわない様に造る事となった。
建築材料は基本「地産地消」を旨とし現場から周囲半径50kmの範囲で取れる材料を使う。現場内からゴミを基本出さない。垂木1本に至るまで腐ってる所を切り残りは使う。素材を再利用する事により「記憶の継承」をはたす。
塗り壁は元の壁を振るいにかけ、発酵させたり植物油を混ぜたりして再利用する。足らない場合は現場の土を使用した。瓦、土、雨樋、木材なども、転用出来るものは転用した。こうした行為は、環境とは切っても切れない関係を持つ、農家の住居をつくるからこそである。
住宅
古民家再生