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建築に流行りはあるのか?その2

建築のメディアが増えた事と、ネットの世界が発達した事によって誰もが簡単に世界に発信できる事となった。
更に、ネット上での建築メディアが増えた事によっていつでも簡単に建築情報が見れる事に成りました。
問題が一つ、簡単すぎるが故、見え方、伝え方が雑になってしまい設計者の意図が誤解されているのでは無いかと思われるほど簡単に模倣されています。
ただの模倣、見てくれのみの造り方が増えているのです。
いきおい著名な設計者のデザインが直裁的に真似られてそれがカッコ良いと思っている人が増えました。
もっと分かり良く言いますと伝統的なデザインをすると『古い!』の一言で片付けられます、確かに伝統ですから古いですね。
大事なのは古くても新しくても良いものは良い、何が良いかはしっかりと学ばなければ勘違いしてしまうという事ですね。
そのかたち、そのプランをするに理由が必要です、
安易に造らない事が大事です。

建築に流行は有るのか?その1

タイトルがわかりにくと思うので少し噛み砕いて書きます。
北海道と沖縄を除いて全国の住宅の形がほぼ似通った形や外壁の仕上げが似通ってます。
素材も似通っているのでパッと見た感じは同じデザインに見えますね。
ここまでのお話はヨーロッパの街並みも同じで似通った形、素材(石造り)で出来上がってますが見た感じは全く違います。
それは何故なんでしょうか?。
答えは簡単です、ヨーロッパ、わかりやすくイタリア、フランス辺りの街並みのつくりは自然素材で出来上がっています。
自然素材ですから風合いも違いますね、形も考えられています。
戸建住宅が多い村や町も日本の様に無機質ではありません。
これはそもそもの住宅政策が端を発しています。
『家を建てて一人前』なんて言葉が戦後10数年流行りました。
国の政策でも戦後復興の一環として住宅建設に力を入れてきました。
建設業が産業の発展の一翼を担っているからです。
そうなんです、家は商品となって経済活動の推進役だったのです。
だから早く、安く建てる事が正義❓となってしまいました。
街並みの美しさ、人も性格がある様に家族も多様です、多様な家族には多様な間取りや住み方があります。
そこに着眼は無いのが今の住宅では無いでしょうか。
次回に続く。

木の良さを知って欲しい

リクエストが多いのになぜか放置したままの建築教室再開です。
今日は木材の良さについてお話しします。
その前に、建築の良さは実際に触れてみる、体感してみる、が大事です。
だが残念ながら商業建築や公共建築以外で体感出来る建築は確率が低いですね。
更に住宅ともなるとますます難易度が高いです。

勢い写真で見る、雑誌でみる、になります。

何が言いたいかと申しますと壁が白いと漆喰を塗ってもペンキを塗ってもクロスを貼っても同じ様に映ります。
厳密には違いますが中々見分けが付きにくくて普通人には解りません。
見た目だけの建築になってしまいます、大事なのは自分お目で見て体感してこそ素材で出来た空間を感じる事が出来ます。
特に木材で仕上がった空間や配置される家具なども写真で観るのとは全く違います。
更に木感触などは近くで見ただけで存在感や木理からくる香り、美しさがダイレクトに伝わって来ます。皆様にも是非体感して欲しいと思ってます。

デザインを意識しない

住宅を設計する時に最初に考える事は、其処に住む人が如何にのびのびと住めるか!です。

それを踏まえた上でどの様な住まいを提供するかの発想を考えて行きます。
当然クライアントは今までの自分自身の住体験がベースに成ります。
その住体験から少し?半歩?一歩進んだ『新しい住まい方』→もっとこうすれば快適性やノビノビさが出ますよ!
と提案したりします。
生活空間の骨子をデザインします、決して気をてらったりさも何か他とは違う見え方を狙ったりはしません。
良く言われる『デザインする』と言う事は有りません。
逆に何もしていないと言われる事が重要かもしれません。
ただ誤解の無きように言いますと『『デザインしない』→『なんにも考えない』では有りません。
素直に生活空間を構成する事に腐心します。
空間のデザインは其々理由があります、予算であったり、敷地状況であったり、施主の生活体験、同じく理解度、様々です。
地域に溶け込む建築も有りです、勿論自己主張する建築も存在するでしょう。
問題は何処にクライアントが望んでいるかでもあります。
意識しすぎる事無く高齢のクライアントが後25年以上は気持よく生活出来る住宅を考えてみました。

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くつろぐ場所(居間)を考える

住宅から例にとりましょう。

帰宅して、家に居てくつろぐ場所は何処なんだろうか?家事作業を終えたとき、ホッとくつろぐ場所は?。

外から帰って疲れた体を休めたい時は何処で?食事の後気分を変えて団らんのひとときを過ごす場所は?

精神的に休める処、気分を変えたい処、是等は其々において一つではありませんね。

状況に応じて感覚は変わります。

よく言われる『リビング』『居間』『茶の間』は決まっている訳ではないと思います。

人間は型にはまっている訳では有りません、人が10人居れば10人が其々性格や考え方が違います。

当然感覚も違うのですね。

くつろぐ場所も一つとは限りません、畳の上でゴロゴロしたりソファーで本を読んだり、ベランダか庭に出て外の空気を吸ったり、ダイニングテーブルでお茶を飲んだりと様々です。

くつろぐ場所は幾つも有り、又くつろぎ方も様々だと言う事です。

家の室内空間は形にはめるのではなく臨機応変に使い方を変える事が出来る事が大事ではないかと思います。

とは言っても一応は概ねくつろげる場所を造る事は重要ですね。

言い換えればテレビが有ればそこは人がいつの間にか集まり易く団らんの場所になり易い。

只皆さんがテレビに夢中になってしまって会話が無く成ってしまうのも困りモノですけどね。
ソファーやゴロゴロ出来そうな絨毯や大きめのクッション等はくつろげる場所の家具・小道具として役に立ちます。

高い天井等も雰囲気を醸し出しますね。

『くつろぐ』は休息であり充電でもあり、団らんでもあるのです、皆さんの『くつろぐ』はどんな形なんでしょうか?

 

日辺りの良い所でネコと戯れる。

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庭を見ながら読書を、合間にワイン等軽いアルコールを頂く?それとも香り高い紅茶なのでしょうか?

11.休憩室

 

家族揃ってのテレビ鑑賞、食事の早い人はソファーで、ゆっくり味を楽しみながらの人は大きなダイニングテーブルで。

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椅子型の生活よりもゴロゴロ寝頃ぎながら、板間や畳のくつろぎ。

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土間で遊んでいる子供相手に板間で読書でもしますか。

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 玄関を考える

玄関と聞くとどうイメージされるでしょうか?人を向かい入れる所、家人を送り出す場所、靴を脱ぐ事、等々。
玄関とはそもそも武家屋敷からの派生です、格式を重んじる武家社会に取っての玄関はご主人が出入りする唯一の場所なのです。

何時から日本の住宅に玄関なるものが導入されていたかは不勉強で申し訳ないのですが、概ね今の日本の小住宅における玄関とはほぼ靴を脱ぎ履きする場所となっているのではないでしょうか。

必ず有りますね下足箱が。

今の住宅で『いってらっしゃ〜い』と送り出すお母さん、『おかえり〜』とお迎えするお母さんがどの位居るのかと。

精々宅急便や不意にやって来る営業マン?ご近所?さん達との立ち話、受け取り場所程度ではないでしょうか。

もう少し『玄関』を色んな活用法を考えるか別の考え方にするか、真剣に考えねばならない時期に来ているのではないかなと思います。

 

下記の写真は高齢者のお父様の為に段差を一切無くして家に入れる為の『玄関スペースです』

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家の玄関戸を開けると『通り土間』が有ります。
此の通り土間が子供の遊び場にもなり自転車をおく事も出来、ご近所さんとの歓談の場所にもなります。

 

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地方に建つ住宅の場合は格式を有る程度求められる場合が有ります。
来客専用の玄関です、家人は右手の下足室から家に入ります。

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灯りを考える

住まいを考える場合、昼間の生活と夜の生活は違うと考えています。

昼と夜の大きな違いの一つめは太陽の光が有ると無い、つまり明るさが極端に違う。

二つめは行動のエネルギーが大きい昼間と就寝に近づき小さく成る夜です。

解り易く言うと『静と動』夜は一日の疲れを癒しつつ家族団らんを過せる穏やかな時間を過せる演出、場面を造りたい。

そうした場面を造り出す一番の道具が灯りです、そう、照明ですね。

光を昼間の様にキンキンに均一的に照らすのではなく、落ち着いてしかし必要な所には必要な灯りを照らす。

これが重要と考えています。

灯りの『道具』が目立つのではなく『灯り』が重要なのですね、要は照明器具は目立って欲しい訳では有りません。

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トイレは落ち着いて用を足したいですね。

 

 

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落ち着いた光のもと宴は続きます

 

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木製建具

建築の窓の種類として鋼製建具(アルミ・ステンレス・鉄で出来た建具)木製建具、文字通り木製の建具です。

が有ります。

概ねアルミ製の建具が多いですね、これは工場生産し易い→(既製化)又建築基準法から成る不燃材料で開口部(窓等)を造らねば成らない事から来るのが要因だと思います。

既製品化出来るのもコストに反映出来る事も大きいです。

木製建具は先ほど言いました様に法規制での縛りが大きいです。

一般市街地に多く網が掛かっている準防火地域等では延焼ラインにすぐ掛かるので木製建具は中々出来ません。

まぁ、コストはかなり掛かりますが防炎の認定を受けた商品や製品を使えば此の限りでは有りませんが、極稀なケースでしょうか。

既製品のアルミの建具にはやはり既製品なので大きさに制限が有ります。

開口のデザインとしての自由度はかなり制限されます、しかし、木製建具はそれに反して開口方法も含め大きさの自由度は既製品のアルミ製の建具をはるかに凌ぎます。

デメリットとしては、造る技術、時間、コスト、法規制がのしかかりますね。

最近は工期をかなり早めに希望される事が多いのと、造れる職人さんの現象で余り見られなく成りました。

 

写真に有る様に

木造住宅での開口部(窓)のデザインはとても重要です、チャンスが有ればなるべくこうした大開口が出来る木製建具を造る様にしています。

建具が全て壁の中に収納されるので内と外の空間(居心地)が一体に成れる感覚を味わう事が出来ます。

外の景色もよく見られるアルミ建具の桟などが見えないのでスッキリと見れるのも特徴です。

 

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窓を考える。(情景を映す)

建築を設計(デザイン)する時の要素として、周辺環境の情景を取り入れる、映す、関係する事も考えています。

特に窓(開口部)を決める時(切り取る時)内から外の見え方、風の通り方、光の入り方、建築の外観等色んな要素を考えねば成りません。

当事務所のホームページにも一部書いていますが只窓を付ければ良い訳ではなく、付ける事に依ってどう見えるかを考えねば成らないのですね。

今日は其の一部、情景(環境)を映すを紹介します。

敷地の前に池があるので、太陽の光が池の水面を反射して室内の天井に光が差し込んで、光が池の波で揺れている情景を映しています。

それと同時に樹々の影も同時に壁面に投影されて外の情景(環境)を室内に取り込んでいる訳です。

室内が自然と一体に成った瞬間では無いでしょうか、生活に彩りが添えられますね。

 

 

 

 

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原寸取り

熊本プロジェクト(玉東町のいえ)の屋根梁の木取りを始める所です。

屋根がムクっている為に実際のムクリ加減を床板(合板の上)に書いています。

こうして書いた線を切り取り木材に当てて削りだす作業をします。

こうした原寸取りの作業をする工務店や仕事をする事が巷ではほとんど見ません。

大工さんの仕事からプレカット工場でパソコンの手に委ねられる事が殆んどに成りました。

職人芸?匠の技?がほとんど消滅しかかっているのが現状のようです。

職人さんが不足、又は居なくなって来ている現状では致し方ないのかもしれません。

こうした原寸図をチェックしながら実際の曲がりを確認する事は建築を造る事において重要な行為と位置付けています。

此の段階で曲がりの修正を行ないます。

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一度切り取って置いてみるとより解り易くなります。

微調整はこの辺りで決めますが、ほぼ決定です。

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こんな感じですね。

 

 

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木構造の仕口

週末の土曜日は福知山プロジェクトの上棟、12坪の小さな建物だが中身がぎっしり詰まった建築です。伝統的工法を周到して法的に合致したモダン?な離れです。柱や梁は栓とクサビで締めて行きます、勿論法的に必要な金物も使用しています。しかし金物は一切見えない様に工夫されています。


柱や梁がほとんど見えるデザインなのでそれらの結合部分の逃げが無く大工さんの技術の見せ所です。勿論その見せ場のデザインをしている私なんかはもっと緊張します。IMG_2620IMG_2543 IMG_2544 

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